構造機能科学研究所 ~お肌の健康と美容に「RIMシリーズ」~

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アレルギーの新常識「経皮感作」

2019.03.09

「花粉皮膚炎」をご存知でしょうか?

この時季、肌トラブルが増えてスキンケアのご相談が多くなっています。
お聞きしていると「花粉皮膚炎」と思われる方が多くいらっしゃいます。

花粉が皮膚に接触することによって生じる皮膚炎を花粉皮膚炎と呼んでいます。花粉皮膚炎は、目の周囲や顔、首など露出している部位にでやすいのが特徴です。
…続きを読む…

境界のはっきりした赤みの強い、少し盛り上がった赤い発疹が花粉皮膚炎に特徴的です。このような発疹以外にも小さなぶつぶつが広がる場合や、まぶたや頬が全体的に赤くなる場合もあります。

花粉皮膚炎は乾燥肌やアトピー性皮膚炎など肌の弱い方に発症しやすいので、皮膚本来のバリアを生かしたスキンケアが重要です。

30余年前、私が皮膚医科学の研究において予見した「アレルギーの始まりは皮膚から(経皮感作)」が、現在では医学的にも実証されて、経皮感作がアレルギーの主な感作経路になっていることが明らかになっています。

アレルギの始まり「感作」は、経皮感作が実証されるまでは、アレルギーは経口摂取された食べ物に起因する腸管感作と考えられてきていました。

そこで、米国小児科学会では2000年以降、アレルギー疾患を持つ両親から生まれたハイリスク児に対して、ピーナッツや鶏卵を含む数種類の食物を、妊娠・授乳中、および乳児期~幼児期にわたり除去するように推奨してきました。

そして、その予防効果を検証するために複数の疫学調査が行われましたが、しかし、ことごとく否定的な結果でした。

一方で、経皮感作という新たなリスクが注目されるようになりました。

2003年、英国の小児科医Lackらはコホート研究を通して湿疹に対して行われた、ピーナッツオイル含有製品を使ったスキンケアがピーナッツアレルギーのリスクになることを見出しました。

2008年、Lack は二重抗原曝露仮説(dual allergen exposure hypothesis)という斬新な仮説を提唱しました。
すなわち、経口曝露は、本来あるべき免疫寛容を誘導するのであって、アレルギー感作は経皮曝露による影響が大きいと説いたのです。

2009年、日本では小麦成分(加水分解小麦)を含有する茶のしずく石鹸の使用者に小麦アレルギーが発症し社会問題になり、経皮曝露が食物アレルギー等アレルギーを誘導することを臨床的に初めて証明した事例になりました。
その後、欧米でアレルギーの追究が活発に行われて、経皮感作がアレルギーの主な感作経路になっていることが明らかになりました。

経皮感作によるエビデンスが蓄積されつつある中、現在、スキンケアによる食物アレルギー等アレルギーの発症予防効果への期待が高まっています。

従来、腸管感作が種々のアレルギーが発症するものと考えられてきていましたが、経皮感作が起点になってアレルギーマーチと呼ばれている一連のアレルギーを発症することが明らかになったことから、最近、「アレルギーの新常識」として各メディアが取り上げています。

◆食べてないのに突然発症!?食物アレルギーの新常識/NHK:2018年1月31日(水)午後7時30分
http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20180131/index.html 
<内容>
一口食べただけでじんましんや呼吸困難などを起こす食物アレルギー。「小麦」「魚類」さらには「はちみつ」などさまざまな食べ物によるアレルギーの報告が相次いでいる。大人が突然、食物アレルギーを発症するケースも続出。
実は近年、食べ物を「肌で触る」ことが大きな原因の一つだということが判明。肌の状態によっては特にリスクが高くなる。さらに子どもの食物アレルギーを克服するための最新情報や注意点も伝える。

◆食物アレルギーの新常識/NHK:すくすく子育て [放送日]2017/08/12
https://www.sukusuku.com/contents/142062 

◆アレルギーは皮膚から防げ〜増える患者、治療・予防の「新常識」/2016/03/04, AERA
https://newspicks.com/news/1428724/body/ 

特に、
経皮感作 ⇒ アトピー性皮膚炎 ⇒ 食物アレルギー
が密接な関係にあることから、皮膚や腸が弱い乳幼児期における皮膚本来のバリアを生かしたスキンケアが重要と考えられています。

(株)構造機能科学研究所
代表取締役 鈴木 正夫

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