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※赤字の日はお休みさせていただきます。
お肌の色の多様性と紫外線:その4
紫外線の人体への効用
「お肌の色の多様性と紫外線:その1.お肌の色はどのようにして決まるのか?」の記事で、肌の色の違いが生じたのは、地域によって紫外線量が異なり、紫外線を人体に利用すること(ビタミンDの産生など)と紫外線から皮膚を防御することのバランスを整えるために、肌の色の基本(遺伝子)ができたことを述べました。
しかし、近年、美容の観点で乳幼児から高齢者まで光を厄介者扱いしてきており、光の効用が軽視されてきているように思います。
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東京大学大学院の北中幸子准教授(小児医学)によると、1990年代はほとんどみられなかった「くる病」が2000年ごろから学会報告が目立ち始めて、最近では珍しくなくなったと報告しています。
主な原因として、日光浴不足や美容の観点からの過度な紫外線対策が影響していると述べています。
光の効用と言えば、先ず上げられるのが「ビタミンD」です。
≪ビタミンD≫
ビタミンDは、皮膚が紫外線B波を浴びると体内で産生されます。このため、ビタミンDは“太陽ビタミン”とも呼ばれています。
ビタミンDは、骨の健康のために重要なビタミンとして知られています。カルシウムの小腸での吸収を促進して、尿としての排出を防いでいます。
ビタミンDには、免疫システムの働きを助けて呼吸器感染症を予防したり、炎症を抑える、血管や心臓病の機能を改善する、細胞レベルの老化を防ぐ、ガンの発症や進行に関連するメカニズムを妨害する多くの抗ガン作用など、たくさんの有益な働きがあることが分かってきています。
また、糖尿病やアルツハイマー病の予防効果に関しても研究が進められており、その多彩な作用から単なる栄養素というより、ホルモンに近い物質とも考えられています。
ビタミンとは、元来、人体で合成できない微量栄養素を意味しており、食品から摂取するものとしておりました。
しかし、ビタミンDは、皮膚の細胞が紫外線を吸収することでコレステロールから作られていることが明らかになりましたので、ビタミンDはビタミンではないという意見もあります。
ビタミンDは、食品からも摂取できますが、私たちの体の必要量のおよそ半分は日光を浴びて体内で合成されるビタミンDであるといわれています。
皮膚経由と腸経由では、体内における動態や代謝が異なることに基因しているからです。
ビタミンD以外にも、皮膚が紫外線を浴びることによって、セロトニンやメラトニンの産生が促進されるなど、紫外線の人体に対する効用が改めて見直されてきています。
詳細はYouTubeでご紹介しておりますのでご覧ください。
【お肌の色の多様性と紫外線】その4@「スキンケアを科学する 2017」
(株)構造機能科学研究所
代表取締役 鈴木 正夫