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※赤字の日はお休みさせていただきます。
人体を形成している三大物質が水・タンパク質・脂質です。
均整の取れた健康な成人における代表組成は、水59%、タンパク質18%、脂質18%です。この三物質で95%を占めますので、骨格成分としての重要性が解ります。
タンパク質を構成しているのがアミノ酸であり、脂質を構成している主要成分が脂肪酸です。
私の研究人生40余年は、脂肪酸科学を通して、生命現象や健康(皮膚免疫科学・アレルギー・栄養など)を追究してきています。
そこで、脂肪酸とはなんぞや!について折に触れてご紹介をさせていただこうと思います。
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今回は脂肪酸の基本的性質について、ご紹介をいたします。
脂肪酸の構造は、長鎖の炭化水素鎖の末端にカルボキシル基(COOH)が付いています。
脂肪酸の骨格を形成している炭化水素鎖とカルボキシル基は、極性(電荷の偏り)の有無において対極に位置しています。
カルボキシル基は、カルボニル基(CO)と水酸基(OH)から成っており、最大の極性を有する官能基です。
一方、無極性の代表例が炭化水素鎖です。
極性の最も大きい分子が「水」であり、極性の大小は、水との親和性を決める基本的な性質になっています。
物質の性質を端的に表現する際に、「水と油」が汎用されていますが、脂肪酸は水と油の両方の性質を分子の両端に分けて強く持っている代表的な物質です。
このように、水と油の性質を有する分子を両親媒性物質と呼んでおり、両親媒性物質は水にも油にも馴染むことが特徴です。
脂肪酸は、生体内においてはそのままで存在していることは少なく、両親媒性物質としてさらに高機能な「リン脂質」や貯蔵脂肪としての「トリアシルグリセロール」1)として存在しています。
脂肪酸は極性と両親媒性の骨格構造をきちんと有することから、生命進化の過程の中で、生体構造成分として不可欠な分子種として採用されたものと考えています。
1)トリアシルグリセロールとは、脂肪酸3個がグリセロール(慣用名はグリセリン)にエステル結合したものです。食用としている動植物油脂はトリアシルグリセロールです。
トリアシルグリセロールは水には溶けませんが、極性を有するエステル結合を1分子中に3個有していますので、極性分子の仲間です。但し、極性が弱いのでトリアシルグリセロールは両親媒性物質には含めていません。
グリセロールに脂肪酸が1つ結合したモノアシルグリセロール、2つ結合したジアシルグリセロールは代表的な両親媒性物質であり、モノアシルグリセロールは食品の乳化剤として汎用されています。
(株)構造機能科学研究所
代表取締役 鈴木 正夫