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※赤字の日はお休みさせていただきます。
従来の免疫研究の常識を覆す発見として注目されているのが制御性T細胞(Regulatory T Cell:略称Tレグ)です。発見したのは、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの坂口志文教授です。
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その功績により、毎年ノーベル賞の有力候補として名前が挙がっており、2015年3月にはノーベル賞の登竜門とも言われているガードナー国際賞を受賞しています。
Tレグの発見によって、先進国でアレルギーが急増してきていることの理解や、これまで治療が困難と言われてきた様々な免疫性疾患の治療を可能にするものとして注目されています。
花粉症等アレルギーの発症は次の流れによって進行します。
体内に花粉等異物が侵入
⇒抗原提示細胞(マクロファージや樹状細胞)が抗原を捕まえて免疫の攻撃司令官のT細胞に伝える
⇒T細胞が抗原として認識すると実働部隊の細胞(B細胞など)に攻撃指令を出す
⇒指令を受けた実働部隊の細胞が活動を開始する
⇒・・・
この流れの中で、Tレグはどのような働きをしているのでしょうか?
坂口先生は次のように説明をしています。
『Tレグは、司令を出すT細胞とその指令を受けとる実働部隊の細胞の間に割って入って物理的に邪魔したり、攻撃が伝わらなくなるような物質を出したり、場合によっては司令官のT細胞の動きを止めてしまうのです。
免疫システムが、体内に入ってきた異物に対して攻撃をするのを止める働きをするのです。
免疫細胞には細かく分ければ何十種類もあるのですが、それらは全て敵を攻撃するのが役割です。
Tレグは唯一の、攻撃を止める働きを持つ免疫細胞なんです』
次回に続きます。
(株)構造機能科学研究所
鈴木 正夫